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「自由な建築家に」建築家兼起業家を目指すT.Tです。

これまで3回にわたって、AIと設計事務所の取り組みを書いてきました。

測量データの話や、見積の検証の話もあったね。

一度、全体を振り返って整理してくれないかな。
と気になっている方に
病院や学校を多く手がける組織設計事務所で働く一級建築士の私が
AIと設計事務所がこれからどう関わっていけるのか、これまでの検証を振り返りながら考えます。
これまでの記事では、日常業務でのAI活用や、BIMとの連携、概算費用の検証について紹介してきました。
今回はいったん立ち止まり、3つの検証を振り返りながら、この先の関わり方を考えます。
社内の詳しい内容には触れられませんが、これまでの手応えと今後の展望は整理できると思います。
次のいずれかに当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。
- AIと設計事務所の取り組みを最初から追いたい人
- AIに任せられる部分と、任せられない部分の境界を知りたい人
- 設計の実務でAIとどう付き合っていくか考えている人
- これまでの3つの検証で分かったこと
- AIに任せられるようになった作業と、任せられない作業の境界
- このシリーズがこれから向かう方向
節目の記録として、参考にしていただければと思います。
それでは、順に見ていきます。今回は下記の順に整理しました。
- これまでの検証を振り返る
- AIに任せられるようになったこと
- 変わらず人の判断が必要なこと
- これからの展望
これまでの検証を振り返る
このシリーズでは、これまで3つの検証を記録してきました。
最初に書いたのは、日常業務全体でのAIの使い方です。
文章の整理から測量データを扱う作業まで、幅広い場面での実感をまとめました。
次に書いたのは、BIMソフトとAIを連携させる検証です。
測量データから地形モデルを自動で作る仕組みを、一つずつ組み立てていく過程を記録しました。
直近では、過去の見積データから概算費用を出す取り組みを取り上げました。
意匠設計とは別の専門性が求められる領域で、地道に検証を重ねた内容です。
3つの検証に共通しているのは、いきなり大きな仕組みを作ろうとしなかった点です。
小さな作業を一つずつ自動化し、精度を確かめながら進めてきました。
振り返ってみると、最初の記事を書いた時点では、ここまで続けられるか正直不安もありました。
それでも1本ずつ記録を残してきたことで、自分自身の理解も整理されてきたと感じています。
質問: これまでの3つの検証を振り返って、いちばん印象に残っているのはどれですか。
T.T: どれも捨てがたいですが、最初にAIの精度を実感できたことが、その後の検証を続ける支えになりました。想像していたよりも早く手応えを得られたのが印象に残っています。
AIに任せられるようになったこと
3つの検証を通じて、AIに任せられる作業の輪郭が見えてきました。
一つは、情報を整理してたたき台を作る作業です。
測量データや見積データのように、量が多く形式もそろっていない情報ほど、下ごしらえの負担が大きくなります。
この部分をAIに任せると、白紙から手を動かすより、直しながら進められる分だけ負担が軽くなります。
もう一つは、条件が近い事例を拾い出し、傾向として整理する作業です。
地形の標高データや、過去案件の費用データのように、パターンが隠れている情報で特に効果を感じています。
ただし、傾向を拾うところまではAIに任せられても、その傾向をどう使うかの判断は残ります。
皆さんの職場でも、情報量が多く形式が揃っていない作業から試してみると、効果を実感しやすいと思います。
変わらず人の判断が必要なこと
一方で、変わらず人の判断が必要な部分もはっきりしてきました。
BIM連携の検証では、もっともらしく見える指標が、実データでは逆の傾向を示したことがありました。
見積の検証でも、条件が特殊な案件ほど、過去データからの類推が当てにしにくいと分かりました。
どちらも、AIが出した結果をそのまま受け取らず、根拠となる条件まで確認する姿勢が欠かせないという点で共通しています。
最終的にどの案を選ぶか、どの数値を採用するかという判断は、今のところすべて人が担っています。
これは今後も大きくは変わらない部分だと考えています。
便利になった分だけ、確認を怠らない姿勢が前より必要になったとも感じています。
質問: AIの結果をそのまま受け取らず、確認するようにしている具体的な場面はありますか。
T.T: 数値を扱う場面では、必ず自分で検算してから使うようにしています。特に条件が特殊な案件ほど、根拠を一つずつ確認するようにしています。
これからの展望
このシリーズは、もともと社内でのAI活用を記録に残す目的で始めました。
3つの検証を終えて感じているのは、地道な積み重ねの先にしか、実務で使える精度は生まれないということです。
次に試したいのは、採光や排煙の検討に必要な数値を、設計の初期段階で自動的に拾う仕組みです。
まだ構想の段階で、実務にそのまま使えるところまでは進んでいません。
内訳書の科目立てを見直し、案件をまたいで比較しやすい形に整える案も、並行して検討しています。
どちらも、今回のシリーズで見えてきた「情報を整理する部分から任せていく」という進め方の延長線上にあります。
設計プロセス全体のどこにAIが関われるかについては、以前の記事でも整理しています。
進捗があれば、この日記シリーズであらためて紹介するつもりです。
質問: これまでの取り組みを振り返って、今いちばん感じている手応えと、今後の展望を教えてください。
T.T: 小さな作業から任せていく進め方が、確実に業務の負担を減らしていると感じています。次は、法規に関わる数値の下調べのように、もう少し設計の判断に近い領域まで広げられないか考えています。
まとめ
今回はAIと設計事務所がこれからどう関わっていけるかについて、これまでの検証を振り返りながら解説しました。
3つの検証を通じて、AIに任せられる部分と、人の判断が必要な部分の境界が、少しずつ見えてきました。
情報を整理する作業から任せていき、判断そのものは自分で引き受ける。
この進め方は、これからも変わらないと思っています。
大きな仕組みを一気に作るより、小さな検証を積み重ねる方が、結局は確実だと感じています。
この先も、業務の中で使える範囲を一つずつ確かめながら、無理のない速さで広げていくつもりです。
日常業務でのAI活用について、全体像を知りたい方はこちらもあわせてご覧ください。
BIMとの連携、見積データの検証については、それぞれこちらにまとめています。
この日記シリーズでは、今後も進捗があったタイミングで、素直な感想を書いていくつもりです。
今回の記事は以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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