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「自由な建築家に」建築家兼起業家を目指すT.Tです。

土間のある家に憧れるけど、暮らしにどう馴染むのだろう。

冬に寒くならないか、それだけが気になるな。
と悩んでいる方に
病院や学校を多く手がける組織設計事務所で働く一級建築士の私が
住宅の土間空間の使い方について、実務の視点から解説します。
- 土間のある間取りを検討している方
- 内と外のつながりをつくりたい方
- 土間の使い方や注意点を知りたい方
次のいずれかに当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 土間の基本的な役割
- 土間を提案するときに意識している3つの視点
- 実際の提案で経験した気づき
それでは、順に見ていきます。
土間とは何か
まず押さえておきたいのは、土間という空間の位置づけです。
土間とは、床を張らずに地面に近い高さで仕上げた、屋内にありながら外部に近い性格を持つ空間を指します。
玄関の延長として設けることもあれば、リビングの一部に広げて設けることもあります。
靴のまま出入りできるため、庭やアプローチと室内の間をゆるやかにつなぐ役割を持ちます。
自転車や外遊びの道具を置く場所としても使われ、生活の中の余白として機能します。
フローリングの床と違って土間は、多少の汚れを気にせず使える点も特徴です。
間取りを考える初期の段階で、この空間をどこに、どれだけの広さで設けるかを検討します。
仕上げにはモルタルやタイル、洗い出しなどの選択肢があり、素材によって印象や掃除のしやすさが変わります。
来客の目に触れる位置に設ける場合は、仕上げの質感が住まい全体の印象を左右することもあります。
土間を提案するときに意識している3つの視点
土間を提案するとき、私は主に3つの視点を意識しています。
ひとつ目は、用途をどこまで広げるかです。
通路として使うだけなのか、作業や趣味の場として使うのかで、必要な広さは大きく変わります。
自転車の整備や日曜大工の作業まで想定すると、思っていた以上の広さが必要になることがあります。
ふたつ目は、断熱と寒さへの対策です。
土間は外気の影響を受けやすく、冬場に底冷えしやすい空間でもあります。
断熱材の仕様や、床下からの冷気の伝わり方を、設計の早い段階で確認しておく必要があります。
床下の断熱を厚くする方法もあれば、土間そのものを蓄熱層として扱う方法もあり、地域の気候によって選び方は変わります。
みっつ目は、視線と生活感の出方です。
玄関から続く土間は来客の目に触れやすいため、生活感の出る収納は視界から外す工夫を検討します。
照明も、玄関としての明るさと、くつろぐための落ち着いた明かりの両方を満たせるよう計画します。
この3つの視点を重ねながら、敷地や家族構成に合わせて広さと仕上げを決めていきます。
ただ、暖かさを優先すると面積を抑えることになり、用途の広さとは両立しにくい面があります。
土間でよくある失敗
土間には憧れやすい反面、意識していないと同じような失敗を繰り返しやすい点があります。
ひとつは、冬の寒さを想定せずに面積を広げすぎることです。
リビングと地続きに大きな土間を設けると、暖房の効きが悪くなり、居心地を損なうことがあります。
もうひとつは、収納計画を後回しにすることです。
土間は物を置きやすい分、計画がないまま使い始めると、すぐに雑然とした印象になってしまいます。
さらに、勾配や排水を考えずに水を使う想定を加えてしまうケースもあります。
洗い場として使うつもりが、排水の位置をあとから変更できず、計画を見直した例もありました。
さらに、来客動線と生活動線を分けずに計画してしまうケースも見受けられます。
玄関から続く土間に家族の靴や道具があふれると、来客のたびに片づけに追われる住まいになってしまいます。
これらは、いずれも設計の初期段階で用途を絞り込んでいれば防げる失敗だと感じています。
実際に提案した事例|喜ばれた場合と見送った場合
ここで一度、整理します。理屈だけでは、土間の判断はうまくいきません。
実際に設計をしていると、施主によって土間の答えが変わる場面が何度もあります。
質問: 土間を提案して施主に喜ばれた実例を教えてください。何が決め手になりましたか。
T.T: 聞いた話ですが、趣味で自転車に乗る方の住宅で、玄関から続く広めの土間を整備スペースとして提案し、気に入っていただけたことがあります。屋根のあるアプローチと一体にしたことで、雨の日の出入りも楽になったと聞いています。
一方で、提案しても採用に至らなかった例もあります。
質問: 逆に土間の提案を断られた実例はありますか。どんな理由でしたか。
T.T: 冬の底冷えを心配される方が多く、断熱の仕様を丁寧に説明しても、面積を絞る判断になることがあります。実際の金額は伏せますが、断熱対策を手厚くすると費用が上がる点も、判断を左右する要素でした。
寒さへの不安をどう解消するかが、土間の採否を分ける大きな要素になっていると感じています。
断熱材の厚みや、床下からの冷気の遮り方を具体的に示すことを、判断材料にしていただくようにしています。
同じ間取りの相談でも、家族構成や趣味によって土間に求める役割は一つひとつ違います。
だからこそ、面積や仕上げを先に決めるのではなく、何のために使うかを最初に一緒に確認するようにしています。
中庭やワークスペースとの関係
ただ、土間の使い方は、間取りの形式によっても変わってきます。
以前、中庭型の住宅について紹介した記事では、内と外をつなぐ空間の効果を解説しました。
中庭に面した土間は、内と外の光や風を室内へ取り込む結節点として機能します。
中庭が生む光や風の効果については、以下の記事に詳しくまとめています。
また、趣味の作業スペースとして土間を使う場合は、以下の記事で紹介した考え方も参考になります。
土間とワークスペースを隣接させると、外の道具を持ち込みながら作業できる、ひとつながりの空間になります。
断面の考え方まで含めて検討したい方は、以下の設計プロセスの記事もあわせてご覧ください。
まとめ
今回は住宅の土間空間について解説しました。
土間は、用途、断熱、視線という3つの視点を重ねながら、広さと仕上げを決めていく空間です。
憧れだけで面積を決めず、暮らし方に合わせて役割を絞り込むことをお勧めします。
内と外をゆるやかにつなぐ余白として、土間はうまく計画すれば暮らしに大きな価値を与えてくれます。
これから土間を検討する方は、まず何のために使うかを一つに絞ってみることをお勧めします。
そのうえで断熱と収納を早い段階で決めておくと、暮らし始めてからの満足度が大きく変わってきます。
土間の答えは、敷地の形や暮らし方によって変わります。複数の会社から実際の間取り提案を取り寄せて見比べると、自分の敷地でどんな土間がありうるかが見えてきます。注文住宅の資料をまとめて取り寄せる(持ち家計画)
今回の記事は以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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