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「自由な建築家に」建築家兼起業家を目指すT.Tです。

設計の仕事が続けられる気がしない。もう辞めてしまいたい。

でも、勢いで辞めて後悔しないか不安がある。
と悩んでいる方に
病院や学校を多く手がける組織設計事務所で働く一級建築士の私が
設計職を辞めたいと思ったときに確認しておきたいことについて、実務の視点から解説します。
私は新卒で大手メーカーの店舗設計職に就き、その後、病院や学校を手がける組織設計事務所へ移りました。
その経験も踏まえて、辞めるか続けるかを決める前に整理しておきたいことをまとめます。
- 設計の仕事を辞めたいと感じ始めている人
- 辞めるか続けるか、判断の基準が欲しい人
- 設計の経験をこの先どう生かせるか知りたい人
次のいずれかに当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 辞めたい気持ちの原因を切り分ける考え方
- 辞める前に確認しておきたい5つのこと
- 辞める場合の時期と伝え方の注意点
先に結論をお伝えすると、辞める前に確認しておきたいのは次の5つです。
- 辞めたいのは「設計」か「今の職場」か
- 疲れの原因は一時的か、続くものか
- 身についた力と、まだ足りない経験
- 辞めた後に残るもの、失うもの
- 辞める時期と伝え方
辞めることを止める記事ではありません。後悔しない判断をするための整理としてお読みください。
それでは、順に見ていきます。
設計職を辞めたいと感じるのは珍しいことではない
まず押さえておきたいのは、設計の仕事で辞めたいと感じる時期は多くの人に訪れるということです。
設計の仕事は、締め切りが外から決まることが多い仕事です。
確認申請の提出日、入札の公告日、施主の理事会の日程などに合わせて、図面を仕上げなければなりません。
しかも、一つの建物に関わる期間が数年に及ぶことも珍しくありません。
成果が形になるまで時間がかかるため、途中で手応えを感じにくい時期が続くこともあります。
辞めたいと思うこと自体は、弱さではなく、仕事の性質から来る自然な反応です。
ただ、その気持ちのまま勢いで退職すると、あとから「辞める必要はなかった」と感じる人もいます。
反対に、我慢を続けて体調を崩してしまえば、次の一歩を踏み出す余力もなくなります。
だからこそ、辞めるか続けるかを決める前に、気持ちの中身を一度整理しておくことが大切です。
辞める前に確認しておきたい5つのこと
ここからは、私が実際に考えたことも交えながら、確認しておきたい5つの点を順に見ていきます。
1:辞めたいのは「設計」か「今の職場」か
最初に切り分けたいのは、嫌になっているのが設計という仕事なのか、今の職場なのかという点です。
上司との相性や評価のされ方、扱う用途、会社の方針など、職場に原因があることは少なくありません。
その場合は、設計そのものを辞めなくても、職場を変えるだけで状況が大きく変わる可能性があります。
私自身、店舗設計から病院や学校の設計へ移ったことで、同じ設計職でも仕事の中身がかなり変わりました。
設計事務所の種類による違いは、以下の記事で整理しています。
設計事務所の種類と違い|アトリエ系・組織・ゼネコン設計部を比較
2:疲れの原因は一時的か、続くものか
次に確認したいのは、今の負担が一時的なものか、この先もずっと続くものかという点です。
実施設計の終盤や確認申請の直前、竣工前などは、どの職場でも業務量が一気に増えます。
その山を越えれば落ち着くのであれば、辞める判断は区切りを越えてからでも遅くありません。
一方で、人員が慢性的に足りず、山がいつまでも終わらない職場であれば、話が変わります。
直近の3か月だけでなく、1年を通して忙しさの波を振り返ってみると、どちらに当てはまるかが見えやすくなります。
ただし、体調に異変が出ている場合は、この整理より休むことを優先してください。
3:身についた力と、まだ足りない経験
三つ目は、ここまでの設計実務で何が身についたかを書き出してみることです。
図面の作成、法規の確認、関係者との調整、工程の管理など、設計職の経験は他の仕事でも通用する力を含んでいます。
反対に、まだ経験していない工程があるなら、それを終えてから動いた方が次の選択肢は広がります。
基本設計しか担当していない、現場監理に出たことがないといった場合は、一つの物件を最後まで見届ける価値があります。
私は前職で内装監理や施工工程の管理まで経験できたことが、転職後にも生きていると感じています。
4:辞めた後に残るもの、失うもの
四つ目は、辞めた後に何が手元に残り、何を手放すことになるのかを確認することです。
一級建築士の免許は国家資格なので、会社を辞めても失われることはありません。
ただし、建築士事務所に所属する建築士には、定期講習を3年以内ごとに受ける義務があります(建築士法第22条の2)。
次の職場でも設計に関わるなら、講習の受講時期も引き継いでおく必要があります。
一方で、失うものとしては、進行中の物件への関わりや、社内で築いてきた信頼関係が挙げられます。
収入や福利厚生も職場によって大きく変わるため、辞める前に次の生活の見通しを立てておくと安心です。
組織設計事務所の待遇については、以下の記事で私の実感をまとめています。
5:辞める時期と伝え方
最後に確認したいのは、辞めると決めた場合の時期と伝え方です。
法律上は、期間の定めのない雇用であれば、退職を申し出てから2週間で雇用は終了するとされています(民法第627条)。
ただ、設計の仕事では、物件の途中で担当者が抜けると、施主や協力事務所にも影響が出ます。
就業規則の退職申出期間を確認し、物件の区切りに合わせて早めに相談することが、結果的に自分を守ることにもつながります。
建築業界は狭く、前の職場の人と別の物件で再び関わることも少なくありません。
引き継ぎの資料を丁寧に残しておくことは、次の仕事の評判にも直結します。
私が職場を移ったときに考えたこと
ここで一度、整理します。私は新卒から5年ほど大手メーカーで店舗設計に携わり、その後、今の組織設計事務所へ移りました。
質問: 設計の仕事(または前の職場)を辞めると決めたのは、どんな瞬間でしたか。何がきっかけで、決め手になりましたか。
T.T: 店舗の設計と施工管理を一通り経験し、次はもっと規模の大きい建物の計画に関わりたいと考えるようになったことがきっかけでした。
私の場合は、設計を辞めるのではなく、設計を続ける場所を変えるという選択でした。
上の5つを順に考えていくと、自分が手放したくないものと、変えたいものがはっきりしてきます。
辞めるという結論が出た場合も、続けるという結論が出た場合も、理由を言葉にできていれば後悔は小さくなります。
質問: 辞める前にやっておいてよかったこと、やっておけばよかったと後悔したことはありますか。
T.T: 担当していた物件を区切りまで進めてから退職を伝えたことは、今振り返ってもよかったと感じています。
転職したときの経緯と、その後の変化は以下の記事にまとめています。
【転職体験談1】新卒5年目の一級建築士が大手企業を退職して中小企業へ
まとめ
今回は設計職を辞めたいと思ったときに確認しておきたいことについて解説しました。
- 辞めたいのは「設計」か「今の職場」か
- 疲れの原因は一時的か、続くものか
- 身についた力と、まだ足りない経験
- 辞めた後に残るもの、失うもの
- 辞める時期と伝え方
辞めることを止める記事ではありません。後悔しない判断をするための整理としてお読みください。
辞めたい気持ちの正体が見えれば、職場を変えるのか、働き方を変えるのか、別の道に進むのかを落ち着いて選べます。
迷ったときは、紙に書き出して一つずつ確かめてみてください。
キャリアの考え方そのものを整理したい方には、次の1冊をおすすめします。
『転職2.0 日本人のキャリアの新・ルール』
村上臣 著/SBクリエイティブ/2021年4月
辞めるか続けるかの二択ではなく、自分の経験をどう積み上げていくかという視点を持つと、今の職場での時間の意味も変わって見えてきます。
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建築設計からの転職は、確認する順番に沿ってこちらにまとめています。
今回の記事は以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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