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「自由な建築家に」建築家兼起業家を目指すT.Tです。

設計の仕事に、少しずつAIを取り入れています。

AIの話をよく聞くけど、設計の仕事でどう使えるのだろう。

実際に使っている人の、リアルな感想が知りたいなぁ。
と気になっている方に
病院や学校を多く手がける組織設計事務所で働く一級建築士の私が
設計事務所の日常業務でAIをどう使っているか、実際の感触を紹介します。
あまり語られませんが、便利さと同じくらい、うまくいかない場面もあります。
今回は、社内でのAI活用を記録していく日記シリーズの1本目です。
案件の詳しい内容や社内の具体的な数値には触れられませんが、考え方の共有として読んでいただければと思います。
次のいずれかに当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。
- AIを設計の仕事にどう取り入れるか迷っている人
- 実際の活用場面を具体的に知りたい人
- BIMソフトとAIの連携に関心がある人
- 便利な面だけでなく、限界も知っておきたい人
- 設計事務所の業務でAIを使っている場面
- 実際に助かったことと、期待したほどではなかったこと
- これから試そうとしていること
AIとの付き合い方を考えるときの、ひとつの実例として参考にしていただければと思います。
それでは、順に見ていきます。今回は下記の順に整理しました。
- 日常業務のどこでAIを使っているか
- 実際に助かった場面
- 期待したほどうまくいかなかった場面
- これから試したいこと
日常業務のどこでAIを使っているか
AIを使う場面は、思っているよりも幅広くなってきました。
いちばん日常的なのは、文章や資料のやり取りです。
打ち合わせのメモを整理したり、資料の下書きを作ったりする場面で使っています。
ここ数ヶ月は、もう一歩踏み込んだ取り組みも試しています。
設計で使っているBIMソフトと、AIを連携させる検証です。
ソフト名でいうとArchicadで、図面や測量データを扱う一部の作業に試験的に組み込んでいます。
実務のすべてに使えているわけではなく、あくまで一部の作業を試している段階です。
建築の設計は、意匠・構造・設備など、扱う情報の種類が多い仕事です。
情報を整理する作業と、判断そのものをする作業が、いつも混ざり合っています。
私が最初にAIを取り入れたのは、この「整理する作業」の部分からでした。
法規の条文を確認したり、過去の資料を探したりする場面でも、下調べの手間を減らせます。
もちろん、最終的な確認は自分の目で行いますが、たたき台があるだけで進み方が変わります。
白紙の状態から書き始めるより、たたき台を直していく方が、負担がずっと軽くなります。
これは文章に限らず、図面のチェックや数値の整理でも同じだと感じています。
質問: 実際に業務でよく使っているAIの機能を教えてください。特に助かっている場面はありますか。
T.T: 議事録の整理や資料の下書き作成でよく使っています。あとは測量データを扱う場面で、時間のかかっていた作業を任せられるようになりました。
実際に助かった場面
いちばん助かっているのは、時間のかかる作業を任せられることです。
例えば、測量データをもとに敷地の地形モデルを作る作業があります。
以前は、図面から標高の数値を一つずつ拾って手作業で組み立てていました。
この作業をAIに任せてみたところ、実測とほぼ変わらない結果になりました。
正直、ここまで精度が出るとは思っていませんでした。
資料の下書きや文章の整理も、体感でかなり時間が短くなっています。
空いた時間を、設計そのものの検討に回せるようになったのは大きな変化です。
もう一つ助かっているのは、思考の整理に付き合ってもらえることです。
頭の中でぼんやりしている案を言葉にして書き出すと、足りない部分に気づきやすくなります。
一人で抱え込みがちな検討を、いったん外に出せる相手ができた感覚です。
皆さんの職場でも、まずは資料整理のような負担の大きい作業から試してみると、効果を実感しやすいと思います。
期待したほどうまくいかなかった場面
もちろん、うまくいかないことも多くあります。
BIMソフトとAIを連携させる検証では、思わぬところでつまずきました。
ソフト側で確認ダイアログが開いている間、AI側からの操作が完全に止まってしまうのです。
原因に気づくまで、しばらく時間を使いました。
また、設計の判断そのものを任せられる段階には、まだ遠いと感じています。
数値を整理したり、案を並べたりすることはできても、最終的にどれを選ぶかは人の役割です。
ここは今後も変わらない部分だと思っています。
出てきた結果をそのまま鵜呑みにしないことも、あわせて大切にしています。
特に数値を扱う場面では、必ず自分の目で一度は検算するようにしています。
便利になった分だけ、確認を怠らない姿勢が前より必要になったとも感じています。
スピードが上がるほど、途中でチェックする手間を省きたくなる誘惑も大きくなります。
ここで手を抜くと、精度が上がった意味自体がなくなってしまいます。
質問: BIMソフトとAIを連携させる中で、思ったよりうまくいかなかった場面を教えてください。
T.T: 確認ダイアログが開いている間、AI側の操作が反応しなくなり、原因がわかるまで時間がかかりました。単純な操作ほど、思わぬところで止まることに驚きました。
これから試したいこと
次に試したいのは、採光や排煙の検討に必要な数値を、設計の初期段階で自動的に拾う仕組みです。
まだ検討している段階で、実務でそのまま使えるところまでは進んでいません。
設計プロセスのどこにAIが関わっていけるかは、以前まとめた記事にも通じる話です。
設計の一つひとつの工程を分解して見てみると、AIが得意な部分と、人にしかできない部分が見えてきます。
この見極めができるようになると、AIとの付き合い方がもう少し楽になる気がしています。
過去の見積もりデータから、概算の費用感をつかむ取り組みも並行して考えています。
こちらもまだ検討を始めたばかりで、精度を見極めている途中です。
進捗があれば、この日記シリーズであらためて紹介するつもりです。
まとめ
今回は設計事務所の日常業務でAIをどう使っているかについて解説しました。
AIは、時間のかかる作業を肩代わりしてくれる、頼りになる道具です。
ただ、設計の判断を代わりに下してくれるわけではありません。
道具として使いこなす感覚を持てるかどうかが、これからの分かれ目になると思っています。
同じような立場で、AIをどう業務に取り入れるか迷っている方も多いと思います。
大きな仕組みから始めるより、日々の細かい作業の中で試していく方が、続けやすいというのが今の実感です。
この日記シリーズでは、今後も進捗があったタイミングで、素直な感想を書いていくつもりです。
私自身については、こちらの記事にまとめています。
今回の記事は以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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