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住宅のゾーニングの考え方|設計者が最初に引く線

住宅のゾーニングの考え方

いつもご覧いただきありがとうございます。

「自由な建築家に」建築家兼起業家を目指すT.Tです。

トラいちゃん
トラいちゃん

間取りを考えるとき、部屋の配置はどう決めているのだろう。

トラいちゃん
トラいちゃん

家事動線とプライバシーを両方満たす配置は難しそうだな。

と悩んでいる方に

病院や学校を多く手がける組織設計事務所で働く一級建築士の私が

住宅のゾーニングの考え方について、実務の視点から解説します。

  • 住宅の間取りをこれから考える方
  • 部屋の配置に迷っている方
  • ゾーニングという言葉の意味を知りたい方

次のいずれかに当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。

今回の記事でわかること
  • ゾーニングの基本的な考え方
  • 配置を決めるときに意識している3つの視点
  • 実際の住宅でゾーニングに悩んだ経緯

それでは、順に見ていきます。

ゾーニングとは何か

まず押さえておきたいのは、ゾーニングという言葉の意味です。

ゾーニングとは、住宅の中の機能や用途ごとに空間を分け、それぞれの位置関係を決めていく作業を指します。

リビングや水回り、個室といった部屋を、思いつきで並べるのではなく、互いの関係を考えながら配置していきます。

間取り図を細かく描き込む前の、いわば設計の骨格を決める段階です。

敷地調査と要望の整理を終えたあとに、この作業に取りかかります。

手書きやタブレットで、部屋を丸や四角に置き換えながら、位置関係を何度も検討していきます。

ここで大きな方向性を誤ると、あとから間取りを直しても使いにくさが残ってしまいます。

ゾーニングを飛ばして間取りから考え始めると、部屋どうしの関係にちぐはぐさが出やすくなります。

例えば、寝室のすぐ隣に来客用のリビングを置いてしまうと、来客中に休みづらい住まいになってしまいます。

逆に、ゾーニングの段階でおおまかな関係性を決めておくと、細部の間取りは比較的スムーズに決まっていきます。

ゾーニングを考えるときに意識している3つの視点

ゾーニングを考えるとき、私は主に3つの視点を意識しています。

ひとつ目は、パブリックとプライベートの区別です。

来客が通る場所と、家族だけがくつろぐ場所は、はっきり分けておくと落ち着いた住まいになります。

玄関からリビングまでの通り道に、洗面や個室の入り口が見えてしまうと、来客のたびに気まずさが生まれます。

ふたつ目は、家事動線です。

キッチン、洗面、物干しといった水回りの移動距離が短いほど、日々の負担は軽くなります。

キッチンから洗濯機までの距離が長いだけでも、家事の合間の移動が積み重なって疲れにつながります。

みっつ目は、方位です。

リビングや寝室は南に面する位置を優先し、玄関や納戸は北側に寄せることが多くあります。

ただ、敷地の形や道路の位置によっては、南に大きな窓を設けられないこともあります。

その場合は、中庭や高い位置の窓を使って光を取り入れる工夫を検討します。

この3つの視点を重ねながら、敷地の形や家族構成に合わせて配置を決めていきます。

ただ、条件がすべて揃うことは少なく、どれかを優先すればどれかを妥協することになります。

ゾーニングでよくある失敗

ゾーニングでは、意識していないと同じような失敗を繰り返しやすい点があります。

ひとつは、来客動線と生活動線を交差させてしまうことです。

玄関からリビングへ向かう途中に洗面所が見えてしまう配置は、来客のたびに気を遣う原因になります。

もうひとつは、寝室を道路側に配置してしまうことです。

車の音や人の気配が気になり、落ち着いて眠れないという声を聞くことがあります。

さらに、方位を軽視して配置を決めてしまうケースもあります。

日当たりを後回しにすると、完成してから昼間も照明をつけ続ける住まいになりかねません。

これらは、いずれもゾーニングの段階で気づいていれば防げる失敗だと感じています。

実際に悩んだ事例|最初の案と最終案の違い

ここで一度、整理します。理屈だけでは、ゾーニングはうまくいきません。

実際に設計をしていると、条件が重なって配置に悩む場面が何度もあります。

パブリックとプライベートをはっきり分けたくても、敷地の形がそれを許さないこともあります。

【体験メモ】

質問: 実際にゾーニングで悩んだ事例を教えてください。どんな条件が重なって難しかったですか。

T.T: 敷地が旗竿状で道路に接する面が狭く、パブリックな玄関まわりと、プライベートなリビングをどちらも良い位置に置けず悩んだ物件がありました。

最初の案で見えていなかった問題が、模型やパースを検討する中で浮かび上がることもあります。

そのたびに、パブリックとプライベートの境界を引き直し、動線を組み替えてきました。

【体験メモ】

質問: 最初の案から最終案までの間で、配置はどのように変わりましたか。

T.T: 配置は常に変化していきます。これという案を作成しても、次の日にはこっちの方がいいのでは?となることは日常茶飯事。こんな使い方の方がいいのでは?と常に悩んでいるし、寝れないときもあります。最初の案から最後の案で360度変わることもありました。

図面上の距離だけでなく、実際に生活する場面を想像しながら検討することが欠かせません。

模型を作って人の動きを追ってみると、平面図だけでは気づけない発見があります。

ゾーニングは一度決めて終わりではなく、検討を重ねながら精度を上げていく作業だと感じています。

中庭やワークスペースとの関係

ただ、ゾーニングの考え方は、間取りの形式によっても変わってきます。

以前、中庭型の住宅について紹介した記事では、南向きの光を取り込む配置を解説しました。

中庭型の住宅がなぜいいのか

中庭を中心に据える間取りでは、建物をぐるりと囲むようにゾーニングを組み立てます。

道路側にはガレージやワークスペースといった外部と関わりの深い機能を、内側には水回りや個室を寄せる考え方です。

一方、コの字型やロの字型ではなく、総二階のシンプルな住宅では、ゾーニングの考え方が少し変わります。

1階にパブリックな空間をまとめ、2階に個室を集めるという、上下方向での分け方が基本になります。

階段の位置は、パブリックとプライベートを行き来する結節点になるため、慎重に検討する部分です。

このときのワークスペースの使い方については、以下の記事で詳しく触れています。

趣味を楽しむ拠点「ワークスペース」

中庭が生む光や風の効果については、以下の記事にまとめています。

「中庭型の住宅」は最強。断面からよみとる7つの理由

ゾーニングが設計プロセス全体のどの段階にあたるかについては、以下の記事も参考にしてください。

誰でもわかる!建築の設計プロセス徹底解説

 まとめ

今回は住宅のゾーニングについて解説しました。

ゾーニングは、パブリックとプライベート、動線、方位という3つの視点を重ねながら決めていく作業です。

敷地や構成によって最適な答えは変わるため、模型やパースで検証しながら組み立てることをお勧めします。

間取りを考える最初の段階でこそ、時間をかける価値があると感じています。

ゾーニングを丁寧に行うことは、暮らし始めてからの快適さに直結すると考えています。

これから間取りを考える方は、部屋の名前を決める前に、丸や四角でおおまかな配置を描いてみることをお勧めします。

自分の敷地でゾーニングを検討したい方へ

ゾーニングの答えは、敷地の形や方位によって変わります。複数の会社から実際の間取り提案を取り寄せて見比べると、自分の敷地でどんな配置がありうるかが見えてきます。注文住宅の資料をまとめて取り寄せる(持ち家計画)

持ち家計画 注文住宅の資料請求

今回の記事は以上です。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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